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ーーホントに?
うん、ホント
だから待っててよ。
もう幼馴染みでも、恋人でもないけど。
遊を好きな気持ちは、まだここにあるから。
ーー……待ってていいの
当たり前じゃん、迎えに行くよ
気弱な遊って、ホント珍しい。
俺の夢だからかな、いつもと逆だ。
ちょっとかっこつけな俺と、弱気な遊。
悪くないね、これも
ーー……馬鹿だろ、お前
そう? 弱気な遊って珍しいから
……ダメだこれ、ホントに会いたくなるね
ーー……俺、ホントに待つからな
うん、待ってて
涙目の遊が睨むように目をあげる。
唇も手と一緒で温度がないのかなって、ちょっと不安になったけど。
誘われてるのに出来ないようじゃ、迎えに行っても断られちゃうよなぁ。
触れた頬も鼻先もやっぱり温度はなくて、なのになんとなく暖かい。遊の吐く息すら感じられる気がして、どちらからともなく、唇を
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