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確かに。
あの時も。
そして、今現在も。
この自分の容姿があるからこそ、仕事が来るんだと思っている。
ワナワナ震えながら、聞きたくないと思いながらも、麗香は白雪の言葉に耳を傾ける。
「あれもね。私が何度も枕営業したプロデューサーや、男優たちが率先してやってくれたの。あなたにひとときの夢と、そして、『美』への執着心を植え付ける為にね」
酷く冷静な声色が、この話は全て真実だと物語っていた。
「で、でも……。それでも、今、私はテレビにトークショーに。雑誌の取材にと、忙しい毎日を送っているわ。片や、貴女なんて、単なる舞台の仕事しか無いじゃない」
強がりとも取れる麗香の言葉に、白雪は大きな声で笑った。
「ばっかねぇ! 麗香さん。今のあなたは、『国民的正統派美人女優』の【美輪 麗香】としてではなく、『整形サイボーグ人間』の【美輪 麗香】としての商品価値しかないわけ。逆に。私は、今は地味ではあるけれど、有名な脚本家の舞台をこなし、そこそこ評価もされてきてるわ。さぁ。どっちが女優生命として長いと思う?」
口端を上げ、小馬鹿にしたような表情を見せる白雪は更に続けた。
「あ、ここだけの話。普通なら、事務所だって、マネージャーだって、天然美人のあなたが整形するなんて言ったら、止めるに決まっているわよね? なのに、止めるどころか、整形する度に褒めちぎり、おだてて。むしろ、整形を勧めるような事まで言ってた理由……わかるぅ?」
厭味ったらしく問いかける彼女に対し、麗香は首を横に振ると、彼女はニマァと笑みを浮かべた。
「わかんないんだぁ? じゃぁさ。白雪姫と七人の小人って、どんな関係だったか知ってる?」
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