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祭りから三ヶ月。六月になりそろそろ七月になろうとしている梅雨の中、何故か冬弥の自宅で寛ぐお狐様が3匹。
まだまだやんちゃな秋彪。
どこか抜けているが頭のいい兄の玲。
冷徹冷静と自分で言っているが本当は誰よりも優しい那智。
祭りに来ていた客には見えていなかった様で、下宿屋に住む大学生と高校生には、親の急病にて里帰りと伝えてもらってある。
祭りの後、栞と雪翔に宛てた手紙にそのようにして欲しいと書いたので、那智達3人がたまにこうして集まり、社や下宿などを見ていてくれる。
「おーい、雪翔」
「あ、ただ今帰りました……」
「じゃねーだろ?ただいま!だろ?」
「はい、まだ慣れてなくて……」
「兄貴虐めるなよな。ごめんなぁ、こんな馬鹿でも俺の兄貴なんだ」
「いえそんなこと……」
そんな事言われても、まだまだなれない学校生活と、養子になって数ヶ月ほどしか経っていない冬弥のことが気になり、今日新しく増築した家の完成と聞いてもあまり嬉しさがこみ上げてこなかった。
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