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「おい日向!しっかりしろ!」
「蓮ちゃんウブだったとは。」目を覚ますと、リオとオルヴァと目の前には美女が心配そうに蓮を見つめていた。薄桃色のカールのかかった髪、優しそうな顔立ち、宝石のような美しい翡翠色の目、そしてナイスバディ。「坊や大丈夫?ごめんね。けがない?」と焦りながらも、バッグから絆創膏を出してくれた。無論、当たったのは彼女の胸だが。よく見ると腕の数がやけに多い。何回も数えたが、腕は6本あった。「私蜘蛛女なの。ヴィオラって言うの。よろしくね坊や。」と言いながら、紫色の腕のみが消えてしまった。蜘蛛女は状況に応じて二本の腕にしたり、残りの四本を出したりと自由自在なのだ。オルヴァが遠くで恥ずかしながらドンマイと口パクで蓮に言った。蓮の後ろからバサバサと何かが羽ばたく音が聞こえた。「ヴィオラさーん。隊長知りません?」とコウモリ少女がヴィオラの前に降りてきた。「見てないわミモザ。また迷ってんじゃないかしら。」「隊長方向音痴ですもんね。」ミモザと呼ばれたコウモリ少女は黒髪のツインテを赤いリボンで束ねていて、大きなコウモリの羽をもってている。赤い釣り目で、バスト以外はいい感じだが、残念ながらぺったんこな胸。だが可愛らしい。(隊長方向音痴なんかい!大丈夫か!?)蓮はまだ会ってもいない隊長が心配でたまらなかった。「紹介するね。新入りのえっと」「蓮です。日向蓮です。」その時、ミモザのハートがドゴーンと大砲を撃たれかのごとく、ストライクした。気に入ったのだ、蓮を。(何この子!?可愛い過ぎずカッコよすぎずのバランスの取れた顔立ちは!しかも長身!金髪!そして可愛い牙!この子は千年に一度いや一億年に一度のイケメンだわああ!!)ミモザは今にも天に上りりそうだ。それに気づいているのは蓮以外の3人。(あーららら)とニヤケ顔を浮かべている。「坊やってまさか日向隊長副隊長の息子さんなの?」「はい。・・ってえぇ!?」初めて両親が隊長副隊長だってことに知ったのだ。教えてもくれなかったからだ。「ホントそっくりだわぁ!顔立ちは副隊長であるお母さん似なのね。あら!牙と髪まで!隊長であるお父さんにソックリね!」蓮は苦笑いをするしかなかった。「昔私はその人達の部下だったの。仲間思いでかっこ良かったわあ!」両親はいい上司であり、エクソシストであることに蓮は誇りを持てた。
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