第3章

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翌日から、鈴を手伝う日々が始まった。 といっても、1日中一緒に行動はしない。 それは、お互いに学生の身だからってだけじゃない。 「また、ハズレか」 鈴との最初の協同作業は、地味な情報収集。 あの幼女は何故、命を落としたのか? どんな未練を抱えて、現世を彷徨うのか? 枚挙に遑がない調査内容。 自然、二手に分かれることに。 「まあ、あの毒舌を聞かなくてすむし」 自分に言い訳をして、何となく顔を上げる。 かなり陽が落ちてきた京都の町並み。 大して芸術に理解がない身でも、心惹かれる景色を数秒見つめ (仕方ない、か) 嘆息しながら、決意を固める。 「さて、お姫様の家に向かいますか」 わざとらしく呟いた後、俺は鈴の家へ踵を返した。
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