第3章

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碁盤の目のような道を歩くこと数分。 俺は肝試しにぴったりな木造の家の前にいた。 「何度見ても、近寄りたくない雰囲気だよな」 既に太陽は地平線の向こうだから一層不気味に感じる。 けど、こんな場所に美少女霊媒師の烏羽鈴は、両親と共に暮らしている。 (まあ、両親はあまり家にいないみたいだけどな) 鈴の両親とは一度だけ顔を合わせた。 その時の印象は、親父さんは大人になり損ねた不良。 母親の方は、俺と同年代に見えるほど若く、優しそうな人だった。 そして、2人とも仕事の内容は不明。 「別に興味もないけど」 何となく呟きながら、鍵のかかっていない家にあがる。 普通なら問題大ありな行為だが、事前に鈴から了承を得ている。 そして、この数日と同じように、ノックせずに鈴の部屋のドアを開け 「今日の報告に来たぞ、り」 「・・・・・・」 固まった。 何故って? 部屋に可愛らしい妖精が居たからだ。 全裸の。 生まれたままの姿で。 「おお! 今日はなんてラッキーな日」 「いつまで見ているんです! この変態男子!」 顔を真っ赤にした妖精が分厚い本を投げ、俺は意識を失った。
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