1人が本棚に入れています
本棚に追加
碁盤の目のような道を歩くこと数分。
俺は肝試しにぴったりな木造の家の前にいた。
「何度見ても、近寄りたくない雰囲気だよな」
既に太陽は地平線の向こうだから一層不気味に感じる。
けど、こんな場所に美少女霊媒師の烏羽鈴は、両親と共に暮らしている。
(まあ、両親はあまり家にいないみたいだけどな)
鈴の両親とは一度だけ顔を合わせた。
その時の印象は、親父さんは大人になり損ねた不良。
母親の方は、俺と同年代に見えるほど若く、優しそうな人だった。
そして、2人とも仕事の内容は不明。
「別に興味もないけど」
何となく呟きながら、鍵のかかっていない家にあがる。
普通なら問題大ありな行為だが、事前に鈴から了承を得ている。
そして、この数日と同じように、ノックせずに鈴の部屋のドアを開け
「今日の報告に来たぞ、り」
「・・・・・・」
固まった。
何故って?
部屋に可愛らしい妖精が居たからだ。
全裸の。
生まれたままの姿で。
「おお! 今日はなんてラッキーな日」
「いつまで見ているんです! この変態男子!」
顔を真っ赤にした妖精が分厚い本を投げ、俺は意識を失った。
最初のコメントを投稿しよう!