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こほん。
中学生らしくない咳払いをして、
「これは、私の見識の狭さを露呈するようで、あまり質問したくはないのですが」
これまた中学2年とは思えない言葉のチョイス。
(年下か、本当に?)
「恥ずかしがらずに、どうぞ~?」
「では」
「ロリコン、とはどういう意味でしょう?」
・・・・・・はい?
今、なんて。
「ああ~、それはですね~」
やけに楽しそうに、
面白い玩具を見つけたような表情で、桃井が鈴に近づく。
「ちょっと待て」
静止の声は、当然の如く2人に無視される。
「--こういう意味なのですよ~」
「へー」
鈴さん。
後生ですから、絶対零度を思わせる視線と、やけに平淡な声はやめてください。
「司、あなたにプレゼントがあります」
「な、なんでしょう?」
やけに優しく聞こえる鈴の声に、嫌な予感しかしない。
「特別に私の愛読書をあげます」
そう言って鈴が手にしたのは、見覚えのある分厚い本。
表紙には「国語辞典」の文字。
って、まさか。
「これでも読んで、更生しなさい、この変態!」
「がはっ!」
(最近、こんなのばっかだ)
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