第3章

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こほん。 中学生らしくない咳払いをして、 「これは、私の見識の狭さを露呈するようで、あまり質問したくはないのですが」 これまた中学2年とは思えない言葉のチョイス。 (年下か、本当に?) 「恥ずかしがらずに、どうぞ~?」 「では」 「ロリコン、とはどういう意味でしょう?」 ・・・・・・はい? 今、なんて。 「ああ~、それはですね~」 やけに楽しそうに、 面白い玩具を見つけたような表情で、桃井が鈴に近づく。 「ちょっと待て」 静止の声は、当然の如く2人に無視される。 「--こういう意味なのですよ~」 「へー」 鈴さん。 後生ですから、絶対零度を思わせる視線と、やけに平淡な声はやめてください。 「司、あなたにプレゼントがあります」 「な、なんでしょう?」 やけに優しく聞こえる鈴の声に、嫌な予感しかしない。 「特別に私の愛読書をあげます」 そう言って鈴が手にしたのは、見覚えのある分厚い本。 表紙には「国語辞典」の文字。 って、まさか。 「これでも読んで、更生しなさい、この変態!」 「がはっ!」 (最近、こんなのばっかだ)
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