第3章

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その後。 俺が気を失っている間に行われた2人の話し合い。 その結果、月城操ちゃんの誕生日会を開くこと、それに桃井も協力することが決定。 親戚から受けた虐待が原因で、生まれて来たことに絶望したまま命を落とした操ちゃん。 そんなことはないと教え、楽しい思い出と共に天国に旅立ってもらう、というのが誕生日会の目的だ。 ちなみに、誕生日会の場所は鈴の部屋。 その飾り付けやケーキの手配、他にもパーティーの準備の殆どは俺の担当に。 「幼女の為に働けるんだから、泣いて喜びなさい」 というのが、鈴の言い分。 (男子高校生は、お金に余裕ないんだぞ、くそっ) そう言い返すことも出来ないまま、準備すること数日。 その間、鈴は毎日操ちゃんと会いに行き、 俺も準備の合間を縫って顔見せだけはして、 幽霊が見えない桃井は、当日の誕生日会を盛り上げる企画を考え、 そうして迎えた、操ちゃんがこの世に生まれた日。 俺にとっては、鈴と出会ってから2度目となる日曜日に。 幼女の幽霊を祝う為の、誕生日会が開かれた。
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