第4章

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「また負けたー!」 仰向けになって床に倒れ込む。 連敗だった。 「清水君、もう少し現実味のある負け方をお願いしますわ~」 (俺だって好きで負けてねーよ) いつもと変わらない調子の桃井の言葉に、思わず憮然とする。 操ちゃんを楽しませようと、桃井が用意した1つ目の遊びはババ抜き。 で、俺は惨敗、桃井は勝率4割。 つまり、殆ど操ちゃんの勝利。 「・・・・・・」 圧勝した幼女は、申し訳無さそうに、でもほんの少し得意気にしている。 『司、弱すぎです。情けない』 暇そうにしながら、毒を吐くことは忘れない鈴。 (お前のせいで集中出来ないんだよ) 宙に浮かぶ、僅かに透けている鈴を睨む。 操ちゃんと入れ替わり、鈴は一時的に幽霊になっている。 その姿を見たり、声を聞いたり出来るのは俺だけ。 と、その時 「っ!」 「どうかしましたか~、清水君?」 「お兄さん?」 「な、何でもない」 鈴が何気なく態勢を変えた瞬間、見えてしまうことがある。 スカートの奥の神秘が。 「そ、そろそろ次のゲームにしないか?」 熱くなった顔を3人に見せまいと、下を向いて手早くトランプを片付ける。 「そうしましょ~。このまま続けても、結果は見えていますものね~?」 (ば、バレてる?) 幽霊姿の鈴が見えずとも、俺の様子からおおよそ察しがつくのか。 意味深な笑みを浮かべながら、桃井が次のゲームを用意し始める。
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