27(承前)

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「どちらにしても、恐ろしい効果をもった薬だな。飛び切り高価なだけでなく」  タツオがそういうと、ジョージがうなずいた。窓の向こうに目をやる。冠雪の不二山がなだらかな稜線を扇のように広げていた。 「どうする、タツオ。チームとして五王の新薬にどう対処するつもりだ。今の感じだと個人個人で好き勝手に臨床実験を受けてしまうだろう」  タツオはテーブルのほうを見た。残りの副操縦士とクニが待っている。クニの顔色はまだ紙のように白かった。 「そうだね。チームとしての方針を決めないといけない。新薬で戦力ダウンするようなら、効果があるとわかっていても、治験はむずかしいだろう。ジョージ、話の流れをコントロールしてもらえるか」 「了解だ。だけど、ぼくとしては新薬の副作用に興味がある。過去と未来の記憶があれば、どんな戦いだって100戦100勝だからね」
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