SATORI (聖なるもの)

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更なる異変が起きました。 いや 異変が起きたのだとその時は、意識していなかったのだが。 何か冷たいものが、顔に かかったのである ん? 「なんだ?」 と思った瞬間 鼻の中へ なにやら懐かしい臭いが。 「これは、海の臭いだ。潮の香りが鼻の中に広がった」 と認識した その時 さらに 口の中に 味が しょっぱい 塩の味がした。 頭では理解しようとするも なかなか理解できなかったのだが 「いま、私に、嗅覚と味覚が戻ってきた」と 意識したのだが そこで また頭のなかでは「何故しょっぱい味がして、潮の香りがするのだ。ここは山のなかの洞窟だぞ」 と 思考がストップした その時。 ざざー ざざー と 音が 聞こえた気がするや 確かに 波の音が耳に聞こえてきた。 「おお、聴覚も復活した」 そして また 「なぜ洞窟のなかで、潮騒の音が聞こえるのだ?」 と 新たな疑問が 浮かぶも もはや いきなり 五感のうち 四つが 復活したことの方が 一番の疑問だと思い直し 思考を集中しようとした その瞬間 さらなる 出来ごとが。 私は あまりの眩しさに 眼に痛みを感じつつも なんとも 光輝く 海辺の陽光が 眼に痛みを与えてきました。 「眩しい!」 「いや、視覚も復活したのか」 ついに ここにきて 五感全てが復活したのだ。 しかし なぜここに海が広がっているのだ? と 思考が五感の復活に対して反論をしてきた。 「確かに山の洞窟のなかで、海を感じるわけはない。」 理性ではこれは現実ではない と認識しているのだが しかし 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、さらに冷たい水飛沫を感じる触覚まで 感じていることも これも目の前にある現実としか思えない。 いったい 私に何が起きているのだ? 一番の疑問を 今一度 思考始めた。 その時 「なんてことはない、海に触れてみればわかるではないか」 そして私は 海に身を投じてみた。 冷たい水に浮遊感を覚え ぷかぷかと 海に浮いてみて 「やはり現実にあるのか?。そうか潜ってみればわかる。なんせ呼吸ができないから」
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