色と欲

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その晩は、サークルの飲み会だった。 盛りあがりすぎて終電を逃し、行き場をなくした私たち。 それぞれ、いくつかのグループに別れ、一人暮らしのメンバーの家へと向かう。 そんな事態は、べつに珍しくもなかった。 泥酔した皆で仲間内の部屋にワラワラとなだれ込み、雑魚寝して気づけば朝、などというのも、しょっちゅう。 〝どうするの? 今晩、寝る場所ある?〟 誰かにたずねられ、笑って答える私。 〝あ、はぁい。 由衣の部屋いくから大丈夫でーす〟 由衣は、入学当初から仲良くしてる女友だち。 ちょっと、あざといところが目につくけど、近寄りがたいほどの美人でもなく、笑うと愛嬌があって可愛いから、べつに嫌いじゃない。 可もなく不可もない自分にとって、ちょうどいい。 レベルでいえば中の中くらいの女子。 だから、地方から出てきて一人暮らしをしているの彼女の部屋へは、今まで何度も遊びに行ってた。 試験前に一緒に勉強したり、夜通し語り明かすことも、しばしば。 ただ、その夜、手を繋いで深夜の飲み屋街を後にする私たちのところへ、陽介と浩平がフラフラと寄って来たのは、偶然だったのかどうか、今でもわからない……。
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