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そうして、そんな二人と連れ立って由衣の部屋になだれ込んだあげく、何だかんだ言いながら、全員が眠りについた夜更けに、それは起こった。
静まりかえってるはずの暗闇に響く、不自然な物音で目を覚ます。
コソコソと、何かが擦れあうような、音。
くぐもった声。
ダメだよ……ダメだって。
押し殺した吐息。
小さく軋むベッド。
〝え?な、に……してるの?〟
私は目を閉じながら、まどろんでいた意識が急速に冷めるのを感じてた。
ベッドを使っていたのは、由衣だったよね?
私を含む、あとの三人はフローリングに敷き詰めた、布団で寝てたはず……。
胸の中心を、雷に打たれたような衝撃が走る。
ドクドクと脈打つ血の流れが速く、鳴りやまない心臓の鼓動。
気づかれないように、まぶたを開き、静かに目を凝らすと、次第に見えてくるものがある。
布団の上に散る、人の髪。
その人物が発する、すぅすぅという寝息。
……陽介?それとも浩平?
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