ママ、

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がたん、ごとん。がたん、ごとん。 規則的な音に合わせて、電車が揺れている。 車内は無機質な蛍光灯の明かりが照らしていて、外は街灯も少なく、真っ暗。 窓の外は見えず、そこには反射した自分の顔がうっすらと見えるだけだった。 真夜中の終電だからか、乗客はまばらで、私たちのいる車両には、優先席で眠る中年のサラリーマンがいるだけだった。 私は、そのサラリーマンをしばらくぼうっと見つめたあと、隣に座る幼馴染の春樹にそっと視線を移す。 春樹は手に携帯を持っていたけれど、それをいじる事はせず、ただじっと向かいの窓を見つめていた。 二人の間に会話はない。 なんだか気まずくなって、私は春樹から目をそらし、緑色の床をみた。
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