副会長は端麗

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桜が舞い散るこの季節。 私がこの学園で迎える入学式も、今年で3度目となりました。 どうやら、学園へと続く門が開くまで新入生を待たせてしまったようですね...。 今日は日差しも強いですし、熱中症になられては困ります。 「皆様、お待たせいたしました。只今午前7時30分、桜岡学園へのご入学、歓迎いたします。誠におめでとうございます。」 私がマイクを通してそう言うと、書記のお二方が門を開けてくださいます。 毎年新入生を迎え入れる巨大な門を開けるのは、生徒会の仕事です。 私たち生徒会の姿を確認した新入生の方々は、次々と顔を赤らめまるでアイドルのライブの時のように歓声をあげます。 これも毎年恒例といったところでしょうか。 まぁ、私を除いた生徒会メンバーは容姿端麗な方が揃いに揃っているので、男性がこのような歓声をあげても違和感はないです。 「今年もすごい数だな...」 少し嫌そうな顔でそう呟くのは、我らが生徒会会長の 守王 高人(すおう たかと)です。 「可愛い子いないかな~っ!」 男子学生を目の前にして、目を輝かせながらそう声を張るのは、 生徒会会計の赤間 遊夜(あかま ゆうや) 「僕たち」 「俺たちも」 「「可愛い子見つけないと~!」」 そう声を揃えてキョロキョロと新入生を見渡すのは、 生徒会書記の榊原 空(さかきばら そら) そして双子の弟の榊原 陸(さかきばら りく) そして副会長の私を含めた計5人が、ここ、桜岡学園の生徒会メンバーです。 「改めまして、本学園の体育館へと案内致しますのでーー」 少し、ざわざわしていますね。これでは全体的に私の指示が通りません。困りましたね...私もあまり大きな声を出すのは得意ではないのですが...。 そう思っていると、高人が私が持っていたマイクを奪い、一言 「お前ら、俺様がカッコいいのは承知済みだ。とにかく今は黙って話を聞け。」 その一言で、今までの緩んだ空気もいい意味で引き締まった空気へと早変わりしました。 流石、我らが生徒会長ですね。
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