副会長は端麗

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高人が自己紹介を終えステージから降りこちらに戻って来ると、遊夜にマイクを渡します。次は遊夜の番ですね...調子に乗ってやらかさないことを願います。 「ーー次に、生徒会会計、お願いします。」 私がそう言うと、体育館内がざわざわし始めました。先ほどの案内で遊夜の姿を見た方達でしょうか。遊夜は中性的な顔だちなので、男女共に人気があります。 そして遊夜がステージに上がると、先ほど同様皆さんの視線が一点に集まります。 「生徒会会計の赤間遊夜だよ~。さっきかいちょーがお仕置きとかくさいこと言ってたけど~、ふつーに僕と遊びたい人は後で僕の部屋に遊びに来てね~。」 ここで遊夜が全校生徒に向かって指をさし、ぱちんっと効果音が鳴りそうなくらいのウインクを醸し出しました。 ...高人の眉間のシワが一層深くなったことは気にしないでおきましょう...。 「僕の部屋は~、〇〇号室だからね~っ因みにかいちょーはその隣だよぉ~」 「遊夜っ、おまっ...!」 「た、高人っ!落ち着いてください...」 「......ちっ」 高人のおでこがより梅干しみたいになってしまいました... 「あははっ!かいちょー怒ってる~!ってことで、一年間よろしくねー」 遊夜がそう言うと、高人までとはいきませんが、こちらも割れんばかりの歓声が響きます。 遊夜がこちらに戻って来ると、空と陸が立ち上がります。準備が早いですね... 「ーーありがとうございました。次に、生徒会書記、よろしくお願いします」 「「はーい!」」 元気な返事をした空と陸は、ステージに駆け上がっていきます。まるで子供みたいですね... 「「みんな改めまして、こんにちはーっ!」」 どうやら皆さんは空と陸のみごとなシンクロっぷりに、挨拶を返すどころか開いた口が塞がらないようですね... その姿が滑稽で、少し笑ってしまいます。 すると、生徒会の近くに座っている教員の方々の顔が赤いことに気がつきました。私が笑ってしまったことに怒ったのでしょうか... 確かに今は大切な式の途中ですもんね...反省します。 「「っていう感じで、今年一年間よろしくねーっ!」」 どうやら自己紹介が終わったようです。次は私の番ですか... 「ありがとうございました。最後に、私の自己紹介とさせて頂きます。」
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