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ぐぐっと僕の腹が鳴る。
空腹なんて感覚、彼女が居なくなってから初めて感じたように思う。
あれからまともに何も食べていなかったというのに、今更……。
「お前も、腹減ったよな」
それにナオーンと甘えるように鳴く子猫。
そして。
そうであるわけもないのに口を突いて呟く。
「お前は、月子なのかい?」
その質問にナオーンと子猫が応える。
そうとも違うとも聞き取れるトーンで。
その鳴き声に、僕は……。
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