零れ桜

4/12
31人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
それなのに、どれ程気を付けていてもそれは儚く崩れていく。 僕は白砂になってしまった彼女を泣きながら詰めた。 声を上げて鼻水を滴ながら、人目も憚らずに。 その頃には人なんて、それ程多く居なかったから。 彼女がこの世から完全に居なくなってしまった頃には、川辺に満開だったソメイヨシノは全て散った後だった。 隣の県に有名な八重桜の樹があったのを思い出して車を走らせる。 頼む、咲いていてくれ。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!