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午後になりヘンリはアパートを出た。
細い路地を歩いて窓ガラスの割れたドアを開けた。
そこはショッピングセンターの裏口だった。生活用品はここから必要な分を持って帰っていた。
この日は乾電池とタオルを数枚取った。ヘラクスにばったり会った時の事を考えて必要最小限な分だけ持ち出した。
東の空から何かが飛んでくる音がした。
戦闘機の編隊がもの凄いスピードで上空を飛び去った。
ヘンリは先ほどの無人機の攻撃に続く異変に何かが起きる予感がした。
ヘラクスに見つからないように辺りを見渡しながらヘンリはアパートに戻った。
携帯ラジオの電源を入れた。
スピーカーからノイズ音が流れた。
ヘンリはダイアルを回した。しかしいつも流れる音楽の代わりにノイズしか聞こえなかった。
「ついに電波も遮断されたのか…」
ヘンリはがっかりした表情で呟き電源を切った。
また戦闘機が上空を飛んで行った。
遠くから何かの爆発する音がした。
ヘンリはアパートの窓から外を見た。町のどこで爆発音がした。
爆発音は何度も続いた。
「何だ!」
ヘンリは驚いてアパートを出た。
戦闘機が高層ビル街を空爆していた。
ビルのあちこちから黒煙が上がった。
その爆撃はすぐにビル街から住宅街に広がった。
ヘンリは走った。高層ビルのブロックを迂回するルートで町のはずれへひたすら走った。
爆撃で砕けた瓦礫やガラスが降り注いできた。
それらを避けるように細い路地に入ってヘンリは走り続けた。
裏通りに出ると武装したヘラクス達が走っていた。
ヘンリは物陰に隠れて様子を見た。
ガガガと何かが近づいてくる音と共に砲撃音がした。
爆発と共にヘラクス達が吹っ飛んだ。
銀色の戦車が現れた。
残ったヘラクスがロケット弾を発射した。
弾が戦車に命中して爆発した。
戦闘機が近づいてきた。
ミサイルが高層ビルの合間を抜けて道路に当たって爆発した。
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