3章 (ミリュウ視点)

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ある日 僕は新人類を造ろうと思い立った。 ヒトをはじめ造る時、サルを遺伝子操作した。 知能を高くするため僕たちDNAも2本だけ混ぜたが、脳が90パーセント以上覚醒しないように抑制力をくわえていた。 しかし今回は僕の遺伝子を使って知能や能力の高い新人類を造ろうと思ったのだ。 ヒトの中からマリアという女を使って人工授精させた。 マリアはヒトの中で一番きれいな女だった。 「彼女は美しいだろう。 彼女は僕の子を身籠ったんだ。」 ルーラにそういったところ、彼女は驚いた後、僕を思いっきり嫌な顔でにらみつけた。 なんでそんな顔をするんだ。僕の研究はすごいものなのに...... 彼女は理解できないらしい。 マリアはしばらくして男の子を産んだがその子は33歳の時、ヒトに死刑された。 僕はとても悲しかった。 気づいた時には僕の子は殺されていたのだ。 悲しみのせいで僕はしばらくなにもやる気になれなかった。 ルーラがその後、僕の子を生き返らせてくれたが、すぐには報せてくれなかった。 そんなルーラにも腹がたった。 ルーラ。君はいつもそうだ。いつまで僕を苦しめるんだい。 君に対する心のひずみはどんどん広がっていく。 君との距離はいつ縮めることができるんだろう。
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