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私は彼と会うときはいつもここを使った。
30階ビルの最上階。一面は窓ガラスで都市のビルのネオンがきれいに輝いていた。
私はバーにあるグランドピアノのいすにすわっていた。黒いロングヘアーに真っ青なドレス。見た目は25歳くらいに見えるようにしている。
白い鍵盤に長い指で音を奏でる。
ゆっくりとした曲は客のいないバーに響き渡り、真っ暗な闇に溶け込んでいった。
そこに客がもう一人
上下黒いスーツを身にまとった金髪の美男子。
彼は 30歳くらいに見えるが私と同じで実年齢ははてしもなく上だ。
男はピアノの横に立った。
「元気だった?ルーラ。久しぶりに会えてうれしいよ。カナンだね。僕もこの曲好きだなぁ。」
男の声が白々しく聞こえる。
私はピアノを弾く指を止めて答えた。
「あら?そう?それに本当に会いたかったのかしら?
そろそろ私のことあきれている頃じゃないの?」
「そうだね。あきれるというどころか、君に苦しめられて心が痛いよ。
そしてつくづく君の優秀さにはびっくりしているよ。」
彼はおどけた手振りをする。
「そうでしょうね。私が負のエネルギー撒き散らすのが気にいらないみたいね。
でも 人が増え過ぎると食糧問題もでて大変じゃない 」「だからといって 戦争を起こしたり、エイズなどの感染症を起こしたり、地震まで起こして......
その上君は、政府に干渉してのワクチンや健康診断の推進も行なってるそうだね。」
彼はいっ気にまくしたてる。
いつもこの調子だ。なにか私に気に入らないことがあるとここへ呼び出し文句を言う。
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