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彼女は何かまくし立て続けるのだが、英語がわからないらしくて話が通じない。フロントに電話したら、若い女性のスタッフが飛んできてくれた。そうしたら、今度はやって来たスタッフにお婆さんは怒鳴り始めた。
10分くらい二人は言い合って、それから若いスタッフが英語で私に通訳してくれた。お婆さんが訴えるには、この部屋は泊まれない部屋だと。
「なぜですか? お金はちゃんと払いますよ。パスポートだってフロントで見せました」
私は若いスタッフに英語で伝えた。
「そうじゃないんです。ここは客室じゃないんです。手違いでこの部屋になったのかしら」
「客室じゃない。それはええと、どういう事ですか」
若いスタッフはなんとか説明しようとしていたけど、英語でそれをどういうのかがわからないようだった。
「なんにしろ、この部屋には宿泊できません」
「でも、こんな時間に他のホテルに移るのは難しいです。ここにはもう空いてる部屋はないんですか?」
「はい、今日は既に満室です」
私もよく知らない街で夜中近くに外に放り出されたくはなかったから、お婆さんがなんでこの部屋は使ってはダメだというのか知りたかった。「そもそも、あんたは一体誰なんだ」って事をスタッフに通訳してもらって、それとなんとか一晩だけでもこの部屋に泊まれないのかと交渉してみた。
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