0人が本棚に入れています
本棚に追加
朝食をとった後に、フロントでお婆さんの事を聞いた。間の悪いことに、通訳をしてくれた若いスタッフがおらず、そこにいるスタッフに聞いても何のことかわからないと言われてしまった。
話はこれだけだ。
後は特急列車に乗って、首都まで無事戻った。
この話をすると、それで他にって聞かれる。でも、他には特に無い。わざわざ遠くから聞きに来るほどの話でもないと、これで納得してもらえるだろう。
この話をすると、聞いた者は色々推理しなと気が済まないらしい。私に解説してくれたり、質問してくる。途中から全部夢だったんじゃないかとか。本当にそんなホテルに行ったのかとか。
そんな事を言われても困る。
もし私が謎らしい謎を探すとしたら、あの少女は英語で「入っていいか?」とは聞かなかった。私は日本語と英語しかわからない。その少女が日本語がわかったとも思えない。じゃ、私と彼女は何語で会話したのか。
それがあの夜に関する私の唯一の疑問だと書いて、この話を終わりにさえてもらいたい。
最初のコメントを投稿しよう!