第六章

2/5
前へ
/53ページ
次へ
「サクラぁ!!」 名を呼ばれて振り返る。見上げないと目が合わない程の大男が近付いてくる。坊主頭に袈裟懸けの巨体にドスドスと早足で距離を詰められ思わずよろけた。圧迫感が半端ない。 「柏……。どうした?」 「おう!!サクラ、新入りの死神にはもう会ったか?」 「新入り?いや、知らないな。」 「そうか、お前連休明けだったな。いやあ、久しぶりに面白いヤツが来たぜー!!早くサクラも会ってくるといい」 死神仲間の柏はその巨体に似合わず興奮した子供のように小躍りしていた。 「なんだよ、面白いって……。」 「もう馬鹿みたいにクソ真面目!!今、研修室にいるんだけどよ。鎌の持ち方から給湯器の使い方まで全部手帳に書き写してるんだ!あいつ面白れえ!!」
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加