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「補整下着…」
ルナは感心したように呟く。なんだか小さな欲が沸いてくる。
少し機嫌を直したルナは舞踏会の準備を済ませ、部屋を後にした。
先に車に乗っていたグレイの目に、邸から出て走ってくるルナの姿が映る。
「───……」
軽く見過ごして前を向いたグレイは一瞬目を見開いてルナを二度見していた。
バタンと車のドアが閉まる。
「女の見栄か…すごいな…」
グレイはルナの大きく盛り上った胸元をちらりと流し見て小さく呟く。
少し走って息を整える隣に座ったルナから目を逸らすと、グレイは車を走らせた運転席に居るヴコに言った。
「新聞を積んであるか」
「はい」
差し出したヴコの大きな手から、グレイは新聞紙を受け取る。
そしてそれを車内の後部席で大きく広げ、隣のルナとの間に大きな壁を作って視界を塞いだ。
「グレイ様…腹をどうかされましたか…」
「………っ…よじれて痛いだけだ…気にするな…っ」
腹を抱えて踞り、肩を揺らす闇の主人が微かにミラーに映っている。
ルナは新聞紙側の見えないグレイとヴコの会話に少し首を傾げていた…。
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