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「大丈夫っ!?」
苦しさに身体を屈め、下を向いた顔を覗き込まれ、ルナは必死に息を整える。
「だ、大丈夫…っ…ごめんなさい」
「そ、そう…っ…ならいいんだけど……」
身体を屈めたまま無理に笑うルナを覗いた少年は、下を向いたお陰で膨らみの大きくなったルナの胸元を目にし、ゴクリと微かに喉を鳴らしていた。
「………向こうにソファがあるから…っ…ちょっと休む?…っ」
「………」
少し声が上擦っている。ルナは何となく違和感を感じながらも少年の案内する部屋に足を向けていた。
「気分が優れなくなった時の為の部屋だから遠慮なく休むといいよ」
部屋に通されてルナは中を見渡しへえ、と納得した声を上げる。
ソファを指差す少年のその背後では閉められた扉がカチャっと錠の音を立てていた。
ルナはストンと三人掛けのソファに腰を落とす。淡いピンクのカバーが猫足のソファを飾り女心を擽るようだ。
ルナは改めて部屋の中を眺めていた。
とても可愛い感じがする。
舞踏会の休憩室ってこんな風なのかと変に納得しながら上を仰ぐルナの隣に、少年は何故かピタリと寄り添うようにソファに腰掛けていた。
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