なでしこ達の憂鬱

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海外生活が長かったからという理由も半分くらいはあるけれど、凪は昔から正直に何でも人に言うタイプだった。 ズケズケとものを言う彼女は、今でも敵が多い。 その人の為を思っての発言なのだけれど。 「でも謝れないです。嘘じゃないですから」 葛西の様子を見に来た朝陽は、凪から預かった『生理痛に良く効く薬』を差し出した。 フォローも兼ねて。 「いただきますけどお礼は……」 「言いたくなったらでいいよ」 コップに水を入れて薬まで持ってきてくれたのは良いが、誰と顔を合わせるのも恥ずかしくて死にたいと思っていたのに。しかし朝陽は、男性でもぎこちなく意識する素振りは無かった。 むしろ落ち着いてしまう。 自然体だから、かも知れない。 「まだ充分時間あるし、イチやオーナーでも葛西ほど上手くないけど生地は作れるから、時間気にしないで休んでな」 「……はい」 パン作りのブランジェは立ち仕事だし、体力勝負だ。 まだ皆の前で話されたショックと、『嫌い』の単語を口にしてしまった事に葛西自身もダメージを受けていた。 「あ、そうだ。いいもの持ってた」     
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