第4章

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「ちょ、ちょと!恵吾!」 スマホを机に放り投げるとベッドにうつ伏せに寝転んび、枕を顔の下に入れて、顎をの乗せた。 「なんなのよ、もう・・・」 気になって寝られないじゃん! 「そうだ!」 声とともに勢いよくベッドから身を起こした。お母さんの部屋に行ってみよう。前、神隠しにあってた時、お母さんの部屋でわたしには身に憶えのない写真をみつけたんだ。もし、今までのことが夢じゃなかったら、きっと部屋のどこかにあるはず。 しかし、その期待はお母さんの部屋を開けて電気を点けた瞬間、絶望に変わった。部屋の中は10年以上、誰も使ったような形跡がなかった。わたしの記憶ではグリーンのカーペットが敷かれていた床は板がむきだしになっていて、ホコリも薄っすらと積もっている。ベッドや机もなく、段ボール箱がいくつも置かれて、すっかり物置になっていた。 散々、探し回ったけれど、あの写真は見つからなかった。 他になにか・・・・・アルバム!お父さんなら持ってるはず! 「お父さん!ちょっといい?!」 お父さんの部屋に返事も待たず、扉を開け、詰め寄った。 「な、なんだよ、寝てたんじゃ名井のか?」 「アルバム、見せて!」 「アルバム?」 「そう、、お母さんが写ってるヤツ!」 「急になに?」 「いいから!」 「わ、わかった、確か、この辺に・・・・」 部屋の本棚から一冊のアルバムを取り、渡してくれた。わたしはページを捲る。 「あれ?」 写真を見て唖然となった。 「ねえ、お母さんって、どの人?」 「なに云ってんだよ、この人だよ、前にも見せたろ」 一人の女性を指差して云った。 「え?」 この人が? 「間違いないの?」 「は?間違うわけないだろ、正真正銘、この人がお前のお母さんだ」 でも、この人って・・・・。まるで・・・ 「お父さん、これ、ちょっと借りるね!」 わたしはアルバムを持って、部屋を出た。 「お、おい、どこ、行くんだ?」 「恵吾家、行ってくる!」 「おいおい、もう深夜だぞ?!」 わたしはお父さんの言葉を無視して、玄関を飛び出した。                     6 「こんばんわ!」 深夜なんてこと今は気にしてられない!恵吾の家のピンポンを押した。ややあって、引き戸の摺りガラス越しに電気が付くのが分かった。「はいはい」という女性の声が聞こえ、磨りガラスの向こうに人影が現れた。おばさんのようだ。
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