第1章

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「そっか・・・・」 「ごめんね・・・」 「じゃあさぁ、明日の土曜日、映画に行かないか?」 「えっ、でも、部活あるじゃん。わたしはいいけど、恵吾は大丈夫なの?」 「俺も一日くらいはいいさ、さぼっても。行こうぜ、確か、『ストーム』の沖田純也だっけ、あいつの映画が明日からだってさ、『ファントムシューター』ってやつ、お前、好きだったろ?」 「それって、デートってこと?」 「え!い、いや、その、そうじゃなくて、だな・・た、たまにはいいじゃねえか!」 慌てる恵吾を見て、わたしは思わず、吹きだした。 「おっ」 恵吾がわたしの顔を黙って、見ているのに気付いた。 「なに?わたしの顔になにか、付いてる?」 「え?あ、い、いや・・・・」 「なんなのよ・・・」 「で、どうすんだ明日?」 「うん、いいよ、行こ!わたしもあの映画、観たかったし。その代り、ドーナツおごってよね」 「え?お、おう、いいぜ。決まりだな、じゃあ、明日、10時にお前ん家に迎えにいくからさ」 「うん、わかった、遅れないでよね」 「お前の方こそ、ちゃんと、起きてろよ」 「わかってるよ・・・もう・・・フフ」 「なに笑ってんだよ」 「・・・だって・・・恵吾が誘ってくれるのって、久しぶりだから、嬉しくて」 「そっか、ま、俺だって、たまにはな」 「うん!」 わたし達はお互い笑いあった。
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