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「そっか・・・・」
「ごめんね・・・」
「じゃあさぁ、明日の土曜日、映画に行かないか?」
「えっ、でも、部活あるじゃん。わたしはいいけど、恵吾は大丈夫なの?」
「俺も一日くらいはいいさ、さぼっても。行こうぜ、確か、『ストーム』の沖田純也だっけ、あいつの映画が明日からだってさ、『ファントムシューター』ってやつ、お前、好きだったろ?」
「それって、デートってこと?」
「え!い、いや、その、そうじゃなくて、だな・・た、たまにはいいじゃねえか!」
慌てる恵吾を見て、わたしは思わず、吹きだした。
「おっ」
恵吾がわたしの顔を黙って、見ているのに気付いた。
「なに?わたしの顔になにか、付いてる?」
「え?あ、い、いや・・・・」
「なんなのよ・・・」
「で、どうすんだ明日?」
「うん、いいよ、行こ!わたしもあの映画、観たかったし。その代り、ドーナツおごってよね」
「え?お、おう、いいぜ。決まりだな、じゃあ、明日、10時にお前ん家に迎えにいくからさ」
「うん、わかった、遅れないでよね」
「お前の方こそ、ちゃんと、起きてろよ」
「わかってるよ・・・もう・・・フフ」
「なに笑ってんだよ」
「・・・だって・・・恵吾が誘ってくれるのって、久しぶりだから、嬉しくて」
「そっか、ま、俺だって、たまにはな」
「うん!」
わたし達はお互い笑いあった。
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