第1章

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そうだった。来週の月曜から、期末試験だった。期末が終わると、あとは夏休みだけど、わたしは、数学と英語、科学が苦手で、それで、もし、赤点を取ったら、夏休みは補習か宿題だ。気合いを入れて勉強しないと!恵吾に教えて貰おうかな?アイツ、けっこう、頭いいし、ああみえて、、全教科赤点取ったことないんだよね恵吾のヤツ。柚季と昇降口に向かうと、そこに恵吾がいた。恵吾もちょうど今から、帰るようだった。すぐに、まずいと思った。今は恵吾と柚季を合わせたくないからだ。 「よう、真琴、一緒に帰ろうぜ。谷村さんもよかったら、一緒に帰る?」 「恵吾、部活は、休み?」 わたしは話に割り込んだ。恵吾はサッカー部に所属している。 「期末前だから、休みに決まってるだろ」 「そっか、そうだよね・・・・」 「真琴、なんか変だぞ。大丈夫か?」 「な、なにが?全然平気だよ」 「それなら、いいけどよ。とにかく帰ろうぜ」 「うん、」 三人揃って、昇降口を出て歩きだす。 「あのさあ・・・・」 恵吾に、話し掛けようとするのを柚季が遮るように話しだした。 「ねえ、高杉くんって、好きな人・・・いるのかな?」 来た!ハラハラしてくる。 「俺?そうだなぁ・・・。」 恵吾はわたしをチラっと横目で見る。(なんで、わたしを見るの?) 「・・・・・・いないよ」 「そうなんだぁ、じゃあ、どんなコがタイプ?」 「そうだなぁ・・・、料理がうまくて、」 グサッ!言葉が胸に突き刺さる。わたしは、目玉焼きも作れない・・・・。 「優しくて・・・」 グサッ!わたしは、どちらかというと、勝気で乱暴な方だ。 「おしとやかで・・・・・、」 グサッ!グサッ!グサッ! 「ロングヘアのコかなぁ」 グサアアアアアアアア・・・・・・・。わたしと、全然違うタイプじゃん・・・・・・。段々腹立って来た。ええ!そうでしょうよ!わたしなんか、眼中にもないってことなのね! 「わたし、先、帰るから!」 「お、おい、真琴!」 「真琴・・・・」 二人が声を掛けるのも無視して、わたしはスタスタ速足で歩いて行く。 (なによ!なによ!なによ!)
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