第2話

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「わ、わゎ!!」 「ちひろ!」 バランスを崩したちひろの体を、瑞樹が慌てて抱き止めて内側へ引き寄せる。 ちひろの体と頭を抱えたまま、瑞樹が背中から倒れ込んだ。 「……ってぇ……」 「み、みみみみ瑞樹くん!?」 瑞樹の腕に守られたまま、ちひろは慌てて顔を上げた。 恐怖と焦りで心臓がけたたましく鳴り始める。 「だ、だだだだだ大丈夫!?どこか怪我を……!?」 「いいからどけろ、重い……」 ちひろは慌てて瑞樹から飛び退くと、直ぐ様土下座した。 「ごめんなさいごめんなさい!!危うく落ちる所でした!」 「ほんと勘弁しろよ……マジで焦った……」 「ご、ごめんなさい!手、てててて手を握るのが恥ずかしくなって、その……ほんとごめんなさい!」 瑞樹は呆れながら起き上がると、ベシッとちひろの頭に容赦なくチョップした。 「あだ!!」 「手握るの恥ずかしいとか小学生かよ。今さら俺に照れんな、気持ち悪い」 「か、返す言葉もありません……」 「ったく、これでまた目覚めた。やり直し。とりあえず合鍵渡すから、お前玄関から帰れよ」 「は、はい………」 呆れる瑞樹に、ちひろは消えてしまいたくなるほど恥ずかしくなった。 そのせいなのか、何なのか、未だに胸がドキドキと世話しなく鳴っていた。 その原因は何か。 ちひろにはまだまだよくわからなかった。
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