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『放課後、屋上で待ってる。』
俺は、それだけ彼女に伝えてその場を去った。
そう、俺は今日、告白をする!
今は屋上で、彼女が来るのを待っている。
幸い、今日は夏にしては涼しい日だ。
たまに吹く初夏の風が心地がいい。
だが、そんな天気とは裏腹に、俺の気分は最悪だった。
「おせぇな......。」
おかしい、おかしいぞ。何でいつまで経っても来ないんだ?
俺は放課後になったらすぐに屋上へ向かった。少し早かったかもとも思ったが、よしとした。俺が遅れたら恥ずかしいしな。
「でも、遅すぎる。」
いくらが来るのが早かったとはいえ、俺が来てから40分も経過している。
そこで、俺の頭にある考えがよぎった。
-このまま、来ないのではないか-
いやいやいやいや、さすがにそれは....ないよな?
彼女だってそこまで悪い子ではない。
俺はそんな不安を誤魔化したくて、屋上から見える景色を見た。そこには、衝撃的な光景が写っていた。
「うそ......だろ....」
俺が待っていたはずの彼女が、今校門をくぐろうと
していたのだ。
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