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「くそ! 吸気口がいかれてる。早くしないと酸素不足でまともに戦闘できなくなるぞ」
「排気口もダメなんじゃないか? あの辺り、空気がよどんでるね……なんなんだよ、排水に給水……吸気……敵はどんな奴だんだ」
靄がかかったように視界が悪い。
私は、武器を構えて姿勢を低くした。
「T。俺の後から来い」
「私が先に行くわ、Kは援護してよ」
「オマエみたいに、どんくさいやつが前だと敵に察知されそうだ」
「失礼ね」
そんなやり取りをしながらも緊張で空気がピリピリしていた。
「……いた。あれだ」
「気持ち悪ぃな……ウヨウヨいやがるじゃねえか」
「まって、測定してみるわ」
相手に気が付かれないようにそっと、戦闘力を測定する。
「ダメだわ測れない……でも、核を破壊できれば……なんとかなるんじゃないかしら」
「核もだけど、あのトゲトゲの触手みたいなのをやらないとダメだろ」
「……そうね。再生できないようにぶっ飛ばしてやるわ」
Kはいつになく冷静な口調で私に言った。
「いいか。落ち着けよ……みんなで酒飲んで鶏肉食うんだろ? ただやったんじゃ、俺たちも木っ端みじんだ」
「じゃあいつ」
苛立ちを含んだ口調で私が言う。
「T。深呼吸だ。Kの言う通り……必ずその時が来るさ」
ガガガ。ザザザ。っとイヤホンから音がして、司令本部からの声が耳に届く。
「各所、各部隊。これより、他国よりの総攻撃が行われる。それと同時に、敵を責め1匹残らず破壊しろ」
「御意」
私たちは顔を見合わせて頷いた。
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