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「な、なんで……」
「あなたのためなんです」
「どこが!?俺のためになる要素なんてないだろ!?」
目の前にいる天使の言う事が信じられず、ついカッとなって叫んでしまう。
だがそれを気にしないような素振りで彼女は俺に話し始めた。
「実はあなたが地球に戻るには『世界の設定』をまた変更しないといけないのです。しかし、一度変更してからその設定が適用されるのは《5000年後》……」
「えっ」
「つまりあなたが地球に戻れるのは5000年後。あなたは人類が存在するかもわからない変わり果てた地球で生きる事なんてできますか?」
とんでもない発言に耳を疑った。
5000年後?
なんだよそれ。
ふざけてる。
馬鹿げてる。
あまりのショックに言葉が出ない俺に向けて彼女は更に追い打ちをかける。
「それに、5000年後に地球は存在しませんから」
……あぁ……そうかい、本当に戻れないのか。
思わず歯を食いしばり目の前の女性、天使を睨む。
彼女からしたらいい迷惑だろう、部下のミスで何もしていない上司の自分が『全く関係のない赤の他人』に恨まれているのだから。
しかしそんな状態の俺を見ても嫌な顔一つせずに彼女は笑いかけてきた。
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