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 カズくんと駄弁りながら鍵を探すこと1時間半。さすがにもう見尽くしたので、僕とカズくんは他の場所を手伝うことにした。 「お前らも終わったのか」  声をかけられて振り返ると金髪コンビが呆れた顔で立っていた。月ヶ瀬女医は長い金色の髪をポニーテールにして、黒いタンクトップの姿になっていた。胸に下げている銀色の三日月型のペンダントが目立つ。白衣を脱いだ姿は見慣れず、少しどきどきした。 「結局水場にはなかったよ。っていうかあるわけないけどな」  月ヶ瀬女医は右にまとめた前髪をいじる。月ヶ瀬女医の隣で東雲青年が皮肉った笑みを浮かべた。「ていうかさ、検討はつかないのかな?君の両親だろう、彼らは」東雲青年が僕に問いかける。彼にそういわれて僕は少し考える。月ヶ瀬女医が東雲青年を一瞬だけ睨む。 「…たとえ家族でも分からないことはあるよ。」  フォローしたのはカズくんだった。彼を見ると、切れ長の目が真っ黒に塗りつぶされていた。横顔しか見えなかったが、どこか疲れたような顔をしている。  東雲青年は笑みを浮かべるだけだった。 「東雲さんは…家族について分からないことはないの。」     
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