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閑話休題そろそろ本題
結局鍵は見つからず、僕らは月ヶ瀬女医に呼ばれて昼食を食べることになった。
といっても人数が多いので何人かは奥の畳のスペースだったりテレビの前の机で食べたりとばらばらだった。
僕は奥の畳のスペースでカズくんと暦ちゃんと食べている。二人とも正座をして行儀よく、無音で食べていた。こうしてみると二人が兄妹に見える。
「そういえば、白麗ちゃんはこっちこないの?」
暦ちゃんはちょっと残念そうに「白麗ちゃんは月乃さんのそばを離れたくないみたいで」と控えめな声で言った。
「仲がいいね、あの二人」
「そうですね」
暦ちゃんが寂しそうに微笑んだ。
月乃青年と白麗ちゃんを盗み見る。こうやって皆が一緒に食事をしていると色んなことがわかった。
花塵さんとカズくん、白麗ちゃんと月乃青年は食事中は話さないしテレビは見てもない。
小波くんは普段、テレビを見て話をしながら食べるタイプらしく、ちょっと居心地が悪そうだった。それを見かけた澄心さんが小波くんのもとに行き、二人は穏やかに食べながら話している。
ここにいる奴らは他人に寛容なのか、あまり感情を表に出さないのか、どちらにせよ他人をあまり気にしていない感じがする。
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