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「よろしくね、双神くん…あ、この場合は下の名前で呼んだほうがいいかしら?」
わざとらしく頬に手を当てて僕に尋ねた。
「そっちのほうがいいかもね。みんなも、遠慮なく、僕のことは下の名前で呼んでね」にっこり笑いながらみんなの顔を見たが、みんなの態度はクールだ。少女が肩を少しすくめた。「この人たちは人見知りがひどいみたいなの。許してあげて」
「そう…ところで君の名前は?できればみんなの名前が知りたいんだけど」
「あら、ごめんなさい」
悪びれる様子もなく、少女は1歩前に出た。
歩くと巨乳が揺れる。
「私は花塵明。花はいずれ塵芥に帰す、と書いてハナヂリ。メイは明々白々のメイよ。来週から私立萌黄女子高等学校に通う花の女子高生…趣味はランニングとお料理かしら?それと、好きなものは…」
彼女はそこで言葉を切ると、女医をちらっと見た。そして顔を伏せ、赤らめる。
僕やそのほかの連中も女医に目を向ける。当の女医はどこ吹く風でそっぽを向いていた。
「…真夜さんです」
きゃあっと声を上げる明を見ながら、僕らは顔を見合わせた。
きっと僕らの胸中は同じだったに違いない。
「…よろしく、花塵さん」
僕は笑顔でそういった。
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