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次はなんというか女性か男性かよくわからないかなり暗い人だった。フードを目深に被り、俯き、どことなく不潔な印象を見る人に与えた。
「…澄心美空…澄んだ心でスミウラ。美空は美しい空」
そこで僕のほうを向き、卑屈な笑みを浮かべた。「名前負けしてるって思ったでしょ」声が凄く可愛い子なのに、どうしてこんなに暗くなるのか気になった。
「…そんなこと思わないわよ」ため息混じりに花塵さんが言った。
「…」
僕の答えを待たずして澄心さんは続けた。
「趣味は秘密。好きなものも秘密。私もフタガミくんとカズノミヤくんと同じ、白木高校の生徒になるよ…会えたら、よろしくね」
「よろしく。」と何の感情もこめずにカズくんが言った。
「よろしくね、澄心さん」
気色悪さを抱えつつ、僕は笑顔で迎えた。
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