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「悩みも、悲しみも、みんな吹き飛ぶんだ。陽気になれる。辛いのは今だけで、たぶんすぐに忘れちまえるんじゃねぇの?」
オレは笑って、それから、デカいくしゃみをひとつした。
その時。
バラバラバラ、とプロペラが旋回する音がして。
上空を、農薬散布の時に使う小型の飛行機が姿を現した。
その薬が、どこまでの効果を発揮するのかわからない。
ひょっとしたら、オレの真中への想いも、今とは変わったものになってしまうのかもしれない。
真中のことを、誰よりも大切に、誰よりも守ってやりたいと真摯に思ってきた気持ちが消えてしまうのだとしたら、それはとても残念だ。
でも、真中。
お前のその苦しい想いが消えるなら、オレはそれくらいどうってことねぇよ。
お前には、お前だけには、いつも笑っていて欲しいんだ。
だから、センチメンタルな感情なんて、すべて忘れろ。
オレも忘れる。
ばいばい。
(fin)
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