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サークルの飲み会の後、どうも飲み足りなかった僕たちはいつものように、唯一一人暮らしをしている啓介の家になだれ込んだ。1Kの狭い部屋の中央、小さなテーブルを七人で囲むと、各々の吐き出す酒気はすぐさま蔓延し、まさしく空気に酔い始めている感覚が身体中を満たしていく。
途中のコンビニで買いこんだビール、チューハイをテーブルに並べ、好きなものを手に取ると、改めて乾杯となる。
「しかしあれだな、毎度のように四千円当たり前に取っていくけど、高すぎる」
豪快に酒をあおってから、誠がひとりごちるように言葉を吐くと、順子、美咲、隆がうんうんと同調する。
「まあ瓶ビール縛りすれば二千円で行けるね」
「やめてよ由美、おっさんみたいな」
「でも事実でしょうよ」
「相変わらずの酒豪っぷりを見せつけますな」
からかってみると、真面目な顔で反論を寄越してくるに、どうも由美はバンドの打ち上げでいつもそういった安上がりの宴会をしているとのことだった。なら馬鹿馬鹿しく思えるかもしれない。
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