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結局、僕も順子も感染で死亡し、ゲームは半時間も経たないうちに啓介の勝利で終わった。
「なんだよ、つまんねえゲーム」
勝利で気をよくしたのか、啓介は大口をたたくとそのまま床に寝そべった。
「思ったより難しかったなあ、簡単に勝てるものだと思ってたよ」依然余裕の表情である誠のことを、啓介はすでに見えていない。「仕方ない、勝利者のために、美酒でも買い込んできてやるよ。まあせいぜい、コンビニで一番高いやつ、だけど」
「じゃあウイスキーで頼むわあ」
「オッケー」
そう言って誠が立ち上がると、
「あ、俺も煙草買いに行くからついてくよ」
隆がぽりぽりと鼻を掻きながら続き、
「私も夜風あたるー」
美咲ものそのそと立ち上がった。
「美咲危ないよ」
順子が美咲の手を取ろうとしたが、
「ああ、僕が付いていくよ」
言下に言い下し、
「幹久だと頼りない。私も行こう」
「えー、なんだよ」
「酒も欲しいしな」
由美も立ち上がる。
結局、順子と啓介以外が外へ行く格好となった。
それに対し、
「なんだよ、みんな行くなら俺らも行くよ。なあ?」
啓介が身体を起こしたが、
「そしたら勝利者特典が何もないだろ? 大体お前シャワー浴びちゃってんじゃん。ここは俺らに任せなさいって」誠が適当なことを言って、「ほんの五分くらいなんだから待ってていいよ。順子、そいつのことよろしくね」
半ば無理やり会話を終わらせ、五人はそそくさと部屋を後にした。
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