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二人だけの秘密の川べりに、肌寒い風が吹いて、
いつもの君の甘い匂いが、鼻をくすぐる。
なんだか、胸がうずいて、ドキドキするような、甘い匂い。
いつまでも嗅いでいたい匂い。
私は、君の匂いが知りたくて、勇気を出して尋ねる。
「……君の匂い、なんの匂いなの?」
君は、いつもの意地悪な顔で笑ってる。
「クスッ……内緒だもんね」
やっぱりね。
冷蔵庫や炊飯器に、目と口を書くと、喋りだす。
『エッチ』は、変態の頭文字。
マヨネーズをつけたら、ティッシュでも食べれる。
くだらない事は、たくさん教えてくれるのに、
私の知りたい事は、いつも内緒。
君がどこに行ってしまうのかも、教えてはくれない。
「耳貸して」
そう言うと、私を無理やり引き寄せて、耳に手を当てる。
「この匂いはね……ママの……魔法の薬なんだ。
この匂いを嗅がせると……その人と両想いになれるんだって…。
名前はね……あのね……『お金の木…』……わあっ!!」
君はまた、大きな声で私を驚かせる。
そして、ドキドキする胸を押さえてる私を見て笑ってる。
でも、耳に残ってる内緒話。
君の声は、私の耳に落ちて、
すごく、くすぐったくて、心地よくて……
いつまでもこうして、囁いていて欲しかった。
いつまでも、ずっと……。
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