四月

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あの日の君の香り。 『金木犀』だと知ったのは、ずいぶん経ってからの事だった。 でも、金木犀からは、君の香りは漂ってこなかった。 君が見せた、桜色の涙。 花びらは、どうして目の下からはがれなかったの? もしかして、あの時、君も……。 今、私の車の鍵で揺れてる、キーホルダーのパンダ。 感染したぶつぶつは、まだ治らないまま。 君が、私に感染させた切なさは、今でもまだ治らないままだ。
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