アズキナシ

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  見渡す限り広がる、牧草の緑。 滅多に車が通らない細い農道に沿ってぽつぽつと立つ古びた木の電柱。 細い電線をなぞり視線を上げれば遮るもののない青く高い空と、風に乗って旋回する名前も知らない大きな鳥。冬は終わったはずなのに青々とした山肌にいつまでも白い雪を纏った日高山脈と、穏やかな太平洋の海。 僕はここで産まれ、ここで育った。 そして、これからどこにいくのかは、まだわからない。
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