第1話 VS ?

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フロアには、印刷したばかりの資料から、まだ乾いていないインクの匂いと、淹れたてのコーヒーの香りが漂っていた。 ときたま飛行機が飛ぶゴォーという音が大きく聞こえるのは、ここが高い場所だという証。 豊は、テーブルに並べられた資料をテーブルに両手をつき、険しい表情で睨んでいた。 そんな豊の様子を見た取引先の部下たちは、社長に厳しく資料をチェックされているのだと感じたのか、身が引き締まる思いになり、背筋をピンと伸ばしつづけていた。
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