15人が本棚に入れています
本棚に追加
「風邪かなぁ……」
新学年を迎えた初日、その帰路。
どうもぼぅっとして、部活紹介も早々抜け出して来た。
桜並木を潜り抜け川沿いを歩く。
平日の昼間だが、今日はどこかしこも始業式だけあって、沢山の学生が歩いていた。
キラキラ輝く水面を眺めながら、歩みを進めていた時。
「海大(かいと)君?」
「ん? 未来(みらい)?」
前から向かって来ていた彼女が驚いたように俺の名を呼んだ。
全然周りなんて見てなかったから気付かなかった。
すっかり着慣れたセーラー服が違和感なく彼女の体を包んでいる。
最初のコメントを投稿しよう!