かん‐せん【感染】

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「風邪かなぁ……」  新学年を迎えた初日、その帰路。  どうもぼぅっとして、部活紹介も早々抜け出して来た。  桜並木を潜り抜け川沿いを歩く。  平日の昼間だが、今日はどこかしこも始業式だけあって、沢山の学生が歩いていた。  キラキラ輝く水面を眺めながら、歩みを進めていた時。 「海大(かいと)君?」 「ん? 未来(みらい)?」  前から向かって来ていた彼女が驚いたように俺の名を呼んだ。  全然周りなんて見てなかったから気付かなかった。  すっかり着慣れたセーラー服が違和感なく彼女の体を包んでいる。
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