第9 戦闘

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今日の授業は模擬戦闘のみらしい。 俺ら一年生全員が体育館で順番に戦闘をしていく。 本当は昨日やるはずだったけど、どっかのバカが禁忌召喚しやがったから今日に持ち越ししたらしい。 「フォンさん、ちゃんと手加減するんだよ? 一応防死結界は張られてるけど……」 《当たり前だ。 シオンに手を出さない限り、殺す必要はない》 そーですか、それはよかったです。 まあ、フォンさんが俺を想ってくれてるから嬉しいんだけどね。 自然と口角が上がっちゃうよ。 対戦相手は先生がくじで決めるらしい。 だから呼ばれるまで誰と当たるか分からない。 面倒じゃないやつがいいな。 性格がウザかったら殺したくなるし。 フォンさん、勇者とかと当たらないといいけど… 「おーい、シオン。 お前の番だぞー」 あ、イルダ先生に呼ばれた。 誰が相手かな? そう思いながら戦闘位置に着くと… 「フッ、僕と当たってしまったのを後悔させてあげよう」 ……………うざっ。 面倒だからわざと返事はしない。 その代わり先生に「早く始めろ」と目で念を送る。 イルダ先生は俺の方を少し見て、開始の合図を出す。 「このコインが落ちたらスタートな」 そう言ってコインを落とす。 えっ、ちょっと、名前とか言わなくていいの!? 俺コイツの名前知らないんだけど!? チャリンッと音がしてコインが地面に落ちる。 その瞬間、俺は相手の後ろに回り込み、魔法をぶつける。 名前が無いならモブAでいこう。 モブAは見事に吹き飛ばされ、気絶した。 ……気絶!? 弱すぎない? 一応モブAはSクラスだよ? まぁ、人間はこんなもんか。 俺が人間から遠ざかっただけだもんな。 「勝者、シオンー」 先生、やる気無さすぎ。 俺の番が終わったから、直ぐにフォンさんのもとに戻る。 「フォンさーん」 《お帰り。 早かったな。流石俺の妻だな》 「っ///」 フォンさんは不意打ちでくるからズルイと思う。 「つ、次フォンさんみたいだよっ。 先生が呼んでた」 《………解った。行ってくる》
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