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何故か黙ってしまったフォンさんを見ていると、部屋の真ん中から、突風がふいた。
…突風というより、竜巻?
その竜巻は少しずつ光を帯びていく。
そして、目が開けられないくらいになった時、
【久しぶりだね、フォンセくん】
っ!
《お前は相変わらずだな》
フォンさんの、知り合い?
【ん?君がフォンセくんのお嫁さんかい?】
「は、はいっ、高原紫苑です」
というか、オレがフォンさんの妻になったこと広まっているんだな…
そしてその人は何かを思い出したかのようにポンと手を打った。
【ああ!勇者召喚に巻き込まれてしまった子か!】
何でそれを…?
【何でって、僕はこの世界のことは何でも知っているからね。】
オレ、今口に出して言っていなかったのに…
怖くなってフォンさんの背中に隠れる。
もともと人見知りな方なのに、こんな変な人だから余計に怖く感じる。
【あれ?嫌われちゃったかな?】
《当たり前だ。知らない奴に自分の脳内読まれたら、誰だって怖がるだろう》
【そういうものだっけ?】
そういうものです。
《シオン、大丈夫だ。こいつは悪いものじゃない》
フォンさんがそう言うのなら、そうなんだろう。
【はじめまして、シオンくん。
僕は世界神のゼウスです
よろしくね】
「よ、よろしくお願いします…」
すごく美形だけど、やっぱり怖い。
…あれ?
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