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すると魔王は、きょとんとして
《何故下ろす必要がある?》
と、オレに問う。
「何故って…
は、恥ずかしいからです///」
自分でも、顔が赤くなっていくのがわかる。
男に横抱きされるとか、恥ずかしいに決まっている。
それでも魔王は、さらに首をかしげて心底意味がわからないという顔をする。
…ここの世界の人達は、羞恥心がないのか?
いや、それとも、魔王だけが羞恥心ないのか?
そう思考を巡らせているうちに、魔王は行くぞ、と一言いい、地面を蹴って空を飛ぶ。
「うわっ」
怖くなって、思わず魔王にしがみつく。
恐る恐る回りを見ると、地面から百メートル近く離れていた。
オレが怖がっているのを察したのか、魔王が
《暴れなければ落ちはしない》
と、言った。
そうするうちに、魔王城がどんどん近づいてくる。
門から入ると思っていたが、降り立ったのはバルコニーだった。
そしてそのまま部屋に入り、ダブルベッドくらいの大きさのベッドに下ろされる。
ここは、魔王の部屋だろうか。
シンプルで、あまり何も置かれていない。
あるのは、ベッドとテーブルとクローゼットくらい
だ。
《今日からここがお前の部屋だ》
オレの部屋でしたか…
《我の部屋でもあるがな》
魔王様の部屋でしたか…
…あれ?
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