誰か・・・

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「そっか、私と健作君が離れないように 努力してくれたしね、 盗撮犯も捕まえたし、 私の母さんも助けてくれた」  涙ぐむ真理子。 「きっと山田とたまちゃんはあの世で永遠に 幸せに暮らすんだ、いずれ僕らも行く」        そして・・・   「こら!健作、部屋の掃除してって言ったでしょ! 何やってんの、早くしなさい、今日はゴミの日だよ、 たまちゃん幼稚園に送って行くから早くやっといて!」  絶対離れてはいけない真理ちゃんと一緒に大学へ行き、 卒業、就職も無事終え、最終目的の結婚まで進んだ健作、  そこまでしか考えてなかった。 これからが人生の正念場だったのだ。 娘が産まれたま子と名付けた。  どうすれば自分の人生を納得して終わることが出来るのか、  まだ分からない。  真理子が健作に小言を言った時、 たまに暖かい視線を感じる、たまちゃんか?  娘のたま子から感じるときもある。  自分と真理子と娘にエールを送りながら  「たまちゃん、いつまでも見守ってくれ」 と呟いた。         完
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